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ラオスの首都ヴィエンチャン 実地調査報告

 

2012年12月6日からラオスを訪れ、実際に現地で尽力されているお二人の日本人の方の生の声をお聞きし、首都近郊経済特区ビタパークの現状も見てきましたのでご参考ください。
※JETROやJICA等の各機関に掲載されているラオス一般情報につきましては巻末のリンクをご参照いただければ幸いです。

 

■ヴィエンチャン日本人商工会議所事務局長 山田健一郎様
(兼JETROコレスポンデント、Mountain Field Consultant Co.,Ltd.代表)
※ヴィエンチャン日本人商工会議所HP(http://jcciv.org/profile.html)記載事項は省略。
(抜粋)
2012年12月現在の会員数は、47社(2011年3月時32社)。 会頭・副会頭名が空欄になっているが、更新していないだけである。 いつも商社から出ていただいているが転勤に伴う交替も多く、業務多忙のため表示が追い付いていない。
自身はラオスに約13年居住しており、当地にはJETROのオフィスが無いためコレポン(特派員)としての活動やコンサル会社運営もおこなっている。 コンサル会社は銀行等の調査部門からの依頼や自身のブログ経由による直接相談等によっても活動している。
現在ミャンマーが過熱しており、JETROではタイから応援者を派遣するなど日本人4名体制で応対しているが、ミャンマーのJETROには1日当たり10社以上の日本企業が視察に訪れている状況だ。

 

ラオスに対する投資、進出案件の相談はとみに増加しており、最近ではサービス業や小売業といった業種も増加。 ここラオスでは法人を設立するのは非常に簡単で、書類も簡単だが、申請しても忘れられることがある。 ラオス人は日本人の10%程度しか仕事しない。 公務員では月給がUS$100超(民間企業の管理職クラスは、US$400~500)で、昼食後の14時頃出勤してきて15時半頃には帰っていく者もいる。 現地スタッフにFAXを頼むとしても自分でやった方が断然早い。 もちろんお金を払えば残業もするのはする。 ここでは、うるさい者、金を支払う者に優先的に対応する。 政府も人材不足のため非常に対応が遅く、いわゆる袖の下慣習が未だに存在している。 汚職が悪いことだという認識は彼らももっているが、泥沼にどっぷり浸かってつきあうのか、”手数料”のような名目をつけて領収証をとりつけるか。 自身は支払わないことにしている。 

 

今年10月、サバナケット省のサバンセノ経済区B区に日系専用工業団地を造ることを政府が認可したが、実際には民間企業もかんでいるし、政府の不透明性もあり、日系企業は二の足をふんでいるのが実態だろう。 電力ではタイ、鉱山関係は中国等が投資に力を入れているが、日系企業は製造業が中心。 ここでは労働力の確保と教育の課題が大きい。 製造工程等の単純作業はいいが、エクセルで分析とかの業務は難しい。 当然できる人材もわずかにいるが、彼らは1人で月に数千ドル単位で稼ぐ人材だ。 それに、車で約30分ほど郊外の経済特区(SEZ)VITA PARKにしても既に日系企業が1社稼働を始めたが、1,000人規模の工員が必要な大規模工場は人材確保が厳しいのではないか。 送迎を組み込む等の施策が不可欠だろう。 町工場規模で進出するのであれば問題は無いと考える。 JETROやJICA、アセアンセンター等の資料で予め日本側で情報提供又は収集し、比較検討されることをお勧めする。 ミャンマーのように過熱し過ぎても、ラオス計画投資省は人材不足で対応はできないのが実態だ。

 

■ビタパーク商工業経済特区(SEZ) 南偉開発有限公司 謝 董事(Director)
(抜粋)
ビタパーク商工業経済特区は、台湾の南偉人開発有限公司70%、ラオス商工省30%出資の合弁会社である、ラオスビタ開発社が開発を進めており、2011年に設立。タイとの国境(第一友好橋)から車で20分、ヴィエンチャン市内からも車で20分と立地条件が良く、すでに日系企業も含めて10社程度が入居をはじめている。 タイとの生産分業のかたちが多い。 謝董事はマレーシアから来ており、ボスは台湾人。 ビタパークには大学も誘致しており、ラオス人だけではなく、工業団地内に入居する外資企業関係者も対象とする計画。 職業訓練を伴う講義を行うことで、即戦力の人材育成が狙いであり、労働力の教育という課題も克服を考えている。 労働力不足では?との質問に対しては、稼働したばかりの日系企業は50人の人材募集に200人が応募してきたといい、今後インフラも整えば心配はしていないとの発言。 但し、まだまだ未開に近い赤土の土地が広がり、今後の開発の遅れ等が懸念されるのが正直な感想だ。  
※経済特区パンフレット、JETRO通商弘報の日本語資料が有りますので必要な方はご請求ください(無料)

 

ラオス

 

     

■ラオス計画投資省 ラオス首相府 上級顧問 鈴木基義先生
(抜粋)
広島大学は退職した。 国立大学など権威ばかりが優先し、学生相手に呑気な講義をおこなっている。 もっと実力をつけ、実のある人生をおくるために辞めた。 
午前中にビタパークSEZを見て来てどう思われたか? 先んじて入居する企業さんたちの先行きを心配している。 まだ赤土の土壌の問題も解決しておらず、インフラ整備や土地の開発整備などもなかなか進まず遅れ気味だ。 
サバナケット省のサバンセノ経済区B区に日系専用工業団地造成の認可は自分も関与しているが、 労働力確保の課題も政府も含めて考えていることがある。
中国に進出した日系企業の中で成功しているのは僅か10%だ。 中国で投資で失敗すると戻ってくるものなど無いがラオスはそうではない。 また、今、過熱するミャンマーに群がる日系企業は皆実際の投資環境を知ってガッカリして帰国している。 ミャンマーは欧米に目を向け民主化開放を世界に訴えているが軍事政権が本当に利権を手離すはずがない。 政府の投資施策、インフラ状況等の現実を見極める目を持つべきだ。 日本人は本当に投資に値する国がどこなのかもっと見極めなければならない。計画投資省の人間でも土曜日に出てきて仕事をする人間もいる。 全ての公務員が働かないわけではない。 
ある日本の大企業が提携を断られた。 その際に言われたのは、20年も前の中国国営企業のように意思決定が遅いと比喩された。 日本企業の海外投資に3年も4年もかかるのは稟議を書いて、上の承認をとって・・・誰もリスクを取りたがらないから、何も進まなくなる。 やはり企業のトップがトップダウンで意思決定するような環境を整えるべきで、自分はたまに日本に出向いた際に直接それら検討中企業に乗り込んで役員等に説明する。 説明すれば「そんなに良い条件が整っているんですね」となる。 
日本企業の人はデメリットだけを並べたてる。 最低レベルの賃金で、期待する通りの働きをしない、という論点で話をする。 やれインフラが整っていないとか、まだ環境が整っていないという。 じゃあ、全てが整っているアメリカ等の先進国に進出すればいいじゃないですかと申し上げる。 じゃあ、撤退すれば良いじゃないですかと言えば、そうではない。 利益は出ていて、第2工場、第3工場と展開している。 日本企業は自分たちの現在のことしか考えない。 他に言えば日本から他社が進出してきて既得権益が失われるのではないかと静かにしている。 隣の国の資源やビジネスチャンスなど見えてても手もつけない。 しようとしても、日本にいる経営トップがそんなことはリスクがあるからやめとけ、と言うのだ。 それでは日本企業が真のグローバル展開などできようがない。 ラオスの現状では確かにまだまだ何十年も遅れている。 だからこそ金の卵、今投資する価値があるのではないかと申し上げている。 
自分は話すと人を魅了する自信をもっている。 来年1月も政府要人に同行して日本各地で講演会・投資セミナーを開催する。 1月の各地での講演にも是非参加してください。

 

ラオス

 

<ラオスに関するご参考サイト>
・JETRO(日本貿易振興機構) http://www.jetro.go.jp/world/asia/la/
・日本アセアンセンター http://www.asean.or.jp/ja/asean/know/country/laos/
・JICA(独立行政法人国際協力機構) http://www.jica.go.jp/laos/index.html
・外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/laos/index.html